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モクチンメソッド
『モクチンメソッド』って何!
私どもがパートナーズ会員として加入しています『モクチン企画』の代表理事 連勇太朗氏が執筆した本です。
『モクチン企画ホームページ:http://www.mokuchin.jp/』
※カドヤ建設ホームページよりリンク出来ます。
モクチン企画は、戦後、大量に建てられた木造賃貸アパートを重要な社会資源と捉え、再生のための様々なプロジェクトを実践しているNPO法人です。
この本の冒頭、「木賃アパートは戦後の経済成長や人口増加を背景に大量に建設され、日本社会を支えてきた住いのインフラであり、・・・・・日本の都市部に数多く点在し建っている。ところが現在、こうしたアパートは老朽化、空き家化、災害時の脆弱性など様々なリスクを抱え、周辺環境に悪影響を与える空間装置へと変質してきている。家主や住人の高齢化、未接動による再建築不可、家賃の低さによる経営困難など様々な障害があり、正常な更新が妨げられているのだ。・・・・・しかしながら、既にそこにある、大量に点在しているという条件に着目し、木賃アパートの状態を好転させることができれば、その数の多さを利用して、社会に対して何らかのインパクトを与えることができるかもしれない。こうしたことを企画し結成されたのがモクチン企画であり、そのために開発されたのが『モクチンレシピ』を中心とした一連の改修システム/サービスである。」とあります。
カドヤ不動産を関連会社に持つ我社の立場から、つまり貸主の立場から簡単に説明すると、一般のアパートのリフォームの場合、床をフローリングやクッションフロアー、壁天井はプラスターボードにビニールクロスを貼り新築に近づけることが一般的な手法になっています。この手法だとコストが掛かりますが、募集時の築年数は古いままなので築年数で賃借希望者から弾かれてしまい、家賃は思ったほど上がらず、あまり良い結果には至りません。そこで、色々な実験や実績の中で生み出した『モクチンレシピ』を採用することで、コストと空間にメリハリを作り古い部分も生かすことによって新たな魅力を創出します。フローリングと白い壁紙に囲まれた部屋に住み慣れた人にとって、新たな魅力と感じてもらうことによって、新たな価値観を作り出します。もちろん、過去の実例からも証明されていますが、改修コストに見合った家賃を設定できますのでオーナーにとっても、エコも含め社会的にも良い結果が得られるということです。
我社の隣の空き店舗の改修案を『コクチン企画』に依頼をして実際に改修をした『KUBOMI』の画像をご覧ください。
築70年の元店舗兼住宅の木造建築で、以前はペットショップ(当時は犬屋さんと言っていました)だったところです。
この物件を取得した当初、打合せ室として使用したりワンディショップとして1日貸ししたりしておりましたが、地域の活性化に貢献するような場所にしたいと思い連氏に相談しました。通常は商店街の沿道の『窪み』として、ちょっと休める様、ベンチをおいてあります。イベントがあるとコンサート会場になったり、子供達の落書きの場になったりします。
実は壁にはマグネットペイントとホワイトボードペイントという二つの塗装してあり、磁石で物を貼ったり、ホワイトボードペンで絵を書くことができます。
今では商店街の休憩所・イベント会場として、私共カドヤ建設の看板施設として存在性を高めています。
連氏より度々言葉で聞かせれていた『モクチン企画』の目的ですが、この本を読んでさらに理解が深まりました。
規格化されたありふれた内装を駆使した賃貸物件があふれている時代(平均空室率22.7%)に、さらに空室の予想される物件を増やす必要はありません。そして、株式会社東京カンテイのデータから、築後3年の賃料を100%とすると、築10年で10%、15年で20%、20年で30%の割合で賃料が減額し、その後はおおむね30%程度であることが分かっています。お荷物になりつつある現在所有する木賃アパートはすばらしい資源であり、埋もれた魅力を引き起こすことで、賃貸物件としての機能を生き返らすことができます。建て替えを検討しているオーナー様、是非、決断の前にもう一度カドヤ建設やモクチン企画に相談してみてください。
BY NOGUCHI