耐震構造・制震構造・免震構造とは? | 株式会社 カドヤ建設

BLOGBLOG

2014.11.29

耐震構造・制震構造・免震構造とは? 

耐震・制震・免震構造について
広い意味で建築物は耐震設計を行い耐震構造としなければなりません。
狭い意味では制震構造や免震構造と区別して使われます。

耐震構造について
建築物本体の強度によって地震の揺れに対応し、地震の揺れがそのまま建物に伝わる為、建物の揺れは他の構造に比べ大きくなります。経済的なコスト設定が可能で一般的に建築物に応用されている手法です。

制震構造について
建物の構造本体に配置した制震装置により建物に伝わる揺れを吸収します。耐震構造に比べ地震時の揺れを小さく抑え、さらに構造物本体の損傷を抑えることが可能です。免震構造に比べ低コストで高い耐震性能が得られます。(画像:制震装置 カドヤ建設提携品 トキワシステムαダンパーExⅡ)

制震ダンパー当社施工例

免震構造について
建物を浮かせ重量を支えるアイソレータと地震エネルギーを吸収するダンパーで構成されています。制震構造に比べても建物の揺れは小さく押さえられ、建物構造体の損傷や建物内部での家具の倒壊等が極端に解消されます。コスト的には高めとなりますが、高層建築物等高い耐震グレードを達成するには他の構造に比べ経済的です。(画像:免震装置)

 

yjimageCARCFQY2

耐震性能と各構造手法の関係

耐震性能(建物の強度)は基本的には各構造手法に左右されず、最終的には構造強度を建築基準法の求める強度に対し、同等(1倍)・1.25倍・1.5倍といった強度設定に基づき構造設計を行うことにより決定いたします。つまり、耐震構造も免震構造も同じ強度設定をすれば当然建物強度も一緒になります。言い換えれば、同じ耐震強度の耐震構造と免震構造では柱・梁の大きさ及び鉄筋量に関し、免震構造の方が細く・少なくなるということです。又、想定外の大きい振動の地震が起きた場合、耐震構造の建物も免震構造の建物も同じ強度設計であれば同時に倒壊する可能性が在るということです。

図2しかしながら、総合的な地震によるダメージで考えると、制震構造や免震構造では建物構造体に与える損傷や建物内部に対する影響を少なく抑えることが出来ます。実は地震の人体に対する建物内での被害は阪神淡路大震災を例に取ると建物倒壊による被害がわずか3%、対し、家具の倒壊やガラスによる被害は75%に及びます。つまり、建物の振動を抑制できる制震構造や免震構造は建物内の家具の転倒抑制で大きな効果が得られ、人体に対する安全性が高まるところに価値があると考えられます。

BY野口晃一

share